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【ワンピース】「新世界編」以降つまらない理由

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この記事は、2019年8月に公開した記事に一部加筆・修正して再編集したものです。元の記事は2019年のものなので、その時点での原作に対する言及となります。

まず、大前提として私にとって「ワンピース」は史上最も好きな漫画であり、毎週ジャンプをチェックして、単行本も全巻買い続けている唯一の作品です。

特に「頂上戦争編」は毎週興奮冷めやらず、一週間が長くて仕方ありませんでした。

そんな大好きだったワンピースが、597話「3D2Y」の後、4週間の大型休載を挟むことになります。この発表には当時衝撃を受けましたが、物語の演出として面白いし、「頂上戦争編」の怒涛の展開とエース死亡の衝撃を考えると、こうして時間をおいて区切るというのはうまい判断だと思いました。

「ハンター×ハンター」のようにいつ再開されるかわからない状態で何年も待たされ続けるわけではなく、「4週間」と決められている休載だったので、連載再開後の展開を予想しつつ、ワクワクしながらその日が来るのを待っていたわけです。

そうして待ちに待った連載再開。

待ちに待った「598話」。

蓋を開けてみると、地獄のようにつまらない1話でした…。

「え…なにこれ全然意味わからないんだけど……。休載前までの盛り上がりを一気に無に帰すこの展開は何……? 待ちに待った連載再開後の1話目がこれ……??」

ビックリするくらい期待はずれで、肩透かしを食らいました。新世界編後「最悪の1話」といってもいいでしょう。

編集者はよくこんな内容でOKを出したと思います。編集者も一緒にハワイへバカンスに行っちゃって仕事してなかったんですかね?

何がそんなにダメなのか、以下、解説します。

「2年後」のシャボンディ諸島がつまらない理由

2年ぶりの再会なのに、一味の会話がほとんどなく、読者が置いてけぼりに

読者が楽しみにしていたのは、2年間離れ離れになっていた一味のメンバーが、再会した時にどんなやりとりを見せてくれるのかではないでしょうか。

私としては、2年ぶりの再会を果たした時、一味のメンバーがそれぞれに対してどんな言葉をかけ、どのようにお互いの2年間を振り返るのか?(特に初期メンバーのゾロ・ナミ・ウソップ・サンジは、エースを亡くしたルフィに対してどのような言葉をかけるのか?)というのを一番の楽しみにしていました。

だって家族のように信頼し合い、仲の良かったメンバーと2年間も会えなかったんですよ? 再会したら積もる話があり過ぎて、まず何よりお互いの2年間について話を聞きたいと思うのが普通じゃないですか。

それこそ船のダイニングテーブルで、(一部メンバーだけでもいいから)それぞれがどんな修行をして、どんな強さを手に入れたのか内輪トークをして欲しいと思っていたんです。

しかしながら尾田先生は、「偽・麦わらの一味」という(どう贔屓目に見ても)存在意義のない、作品の質を下げるだけのクソキャラを持ち込んで、一味のコミュニケーションをほとんど描かないという選択をしました。

しかもルフィとチョッパーに至っては、その「偽・麦わらの一味」を本物だと信じてしまうシマツです。「あいつらに゛会いてェよォオ!!!!」と涙ながらに叫んで再会を心待ちにしていたくせに、明らかに外見の異なる(アニメを確認したところ声も違う)偽物を本物だと思い込むって…あなたにとって「仲間」って一体何なんですか…あの涙はなんだったんですか…と感じたのは私だけではないでしょう。

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

贅肉だるっだるのゾロと、頰がこけてガリッガリのサンジのどこに、今まで一緒に戦ってきた強キャラ感があるのでしょうか。ルフィが仲間に誘ったのは、こんなザコキャラ達でよかったんですか…?

たしかに、ルフィとチョッパーは「特徴」だけで人を見るからよく間違える、というギャグ設定は以前からありました。そげキングの時も、スリラーバークでゾロの影が入った剣士に会った時もそうです。だから偽物のゾロとサンジがいたら、それに騙されるというのはルフィ、チョッパーの役割としてわかります。

しかしその設定、待ちに待った「2年後」の「再会」の場面に入れる必要がありますか? 仲間の顔を思い浮かべながら「あいつらに゛会いてェよォオ!!!!」と号泣したルフィと、そんなルフィの力になるために今自分ができることや困難に立ち向かうことを決意した仲間達。こうして描いた一味の絆の深さを、なんで偽物に騙される(=仲間のことを深く理解していない)という雑音にしかならないギャグ設定で、こうもあっさり踏みにじってしまうのでしょうか。

手配書の顔と明らかに違うのに、コロッと騙される海軍や市民たちにも違和感しかありませんし、この茶番でしかない無価値な展開を、待望の連載再開後の1話目に持ってくる必要、本当にあったでしょうか。

「そんなもの読者は求めていない」

「この展開ではこれまでの勢いと盛り上がりを削いでしまう」

「長期休載後の1話目として、これでは読者が納得しない」

と編集者はなぜ言えなかったのでしょうか。

また、なんでゾロが片目になったことや、サンジの髪の分け目が変わったこと、ルフィのお腹の大きな傷について、一味のメンバーは誰も触れないんでしょうか。ナミの巨乳化やフランキーの奇形化・ロボット化、ブルックのミュージシャン化なんかより、よっぽど気になることではないでしょうか。それは読者にとってもそうですし、麦わらの一味にとってもそうでしょう。

なぜ最もツッコむべき主要メンバーのキャラデザ変更について、読者に説明する描写を入れて、違和感を取り除いてくれなかったのでしょうか。

「ゾロ、お前左目どうしたんだよ…!!」とか、「サンジお前、なんで髪の分け目変えたんだ??」とか、「ルフィお前、その腹の傷、頂上戦争の時のか…!?(大丈夫だったのか!?)」のような会話が、最初に会った時に自然と生まれるはずでしょう。そういうことを丁寧に描いてきたのがワンピースじゃないですか。

連載再開後、一番重要ともいえるそのコミュニケーションが描かれずに話が進んでいくため、読者は完全に置いてけぼり。

「この2年間で何があったのか」や「2年後の変化」について仲間同士が不自然なほど触れようとしないため、延々とお互いに「本音」を隠し合った上っ面のコミュニケーションをしているように見えてしまい、心の中がずっとモヤモヤしたまま新世界編がスタートすることになってしまいました。

キャラデザの無意味な変更により、これまでの愛着・思い入れが台無しに

そもそも、2年経ったからといってキャラデザを変える必要はあったのでしょうか。

ファンが長年親しんだキャラデザを無意味に変えられてしまったことでこれまでの愛着が失われ、しかもその変更点について作中で説明がなされずに(キャラ同士が触れることなく)話が進んでいくため、2年後から途端に感情移入しづらくなってしまいました。これまでの思い入れが、一方的かつ強制的にリセットされてしまった気分です。

2年も経てばビジュアルが変わるのが当然、というのはわかりますし、2年前との違いを明確にして区切りをつけたかったとか、成長を描きたかったというのもあるのでしょう。

でもそこは漫画なんですし、5年10年経ってるわけでもないんだから、過度な変更を加える必要はなかったと思うわけです。

実際、ルフィはほとんど変わってないわけです。他のキャラが髭を生やしたり(濃くなったり)、顔の傷が増えたり、髪型が変わったり、体型が変わったりしている中、ルフィの変化は(2年前の頂上戦争で)赤犬につけられたお腹の傷のみです。

主人公のデザインが大きく変わると、これまで築き上げてきたファンの愛着が途切れてしまうからという判断があったのではないでしょうか。なぜその考えを、他のキャラクターにも踏襲してあげられなかったのでしょうか。

私は未だに現在のキャラデザに慣れません。というか初期のデザインの方が圧倒的に優れていて魅力的だった(これ以上ない完璧なデザインだった)と感じるため、不要な情報が大量に付け加えられた今のキャラデザが、劣化版ないし二番煎じにしか感じず、どうにも受け入れられないのです。

実際、どのキャラも描き込みが増えた結果、シンプルさが失われ、「新世界編」以降は常に画がごちゃごちゃしている印象になってしまいました。

ゾロ

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

片目になって欲しくなかったです。単純に視野が狭くなるんだから実力落ちるでしょ…と心配になってしまいました。

また片目になったことで表情のバリエーションが減り、可愛げがなくなりました。ゾロの魅力は、見た目は怖いのに優しくて可愛げがあるところだったのに、それが大きく失われてしまいました。この先、片目の謎が明かされるのかもしれませんが、そんな設定を入れるよりも、これまで通り両目が開いてるゾロのままでいて欲しかった。

また、毛量が増えて若干パーマがかかっているのも似合ってません。短髪ストレートのままでいて欲しかったです。(結局、パーマの描き込みがめんどくさかったからか、今は普通のストレートになっていますし。それなら最初から無駄な変更加えなければよかったのに…)

ナミ

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

ナミはショートカットのままでいて欲しかった。これに尽きます。前髪に一本だけ変なクセっ毛を入れたせいで絵のバランスが崩れ、見ていて違和感のあるデザインになりました。(この前髪パーマも結局今はなくなっています。つまり不要な変更だったわけです)

また胸の巨大化も不要でした。今までも十分巨乳でスタイルよかったのに、奇形乳となり(尾田先生は少年のためとか言ってるけど、リアリティのない奇形乳に本当に少年は喜んでいるのでしょうか…)、下腹部の股のラインが強調され過ぎたせいで、性的な目で見る男性読者(尾田先生の言う「少年」)へのサービスカット要員に成り下がってしまいました。

2年後のウソップとの再会時、いきなり抱きついて胸に顔をうずめさせる描写にドン引きした読者は少なくないでしょう。

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

「あぁ、2年後はそういう路線で行くんですか…」と。これまで築き上げてきた世界観(読者が勝手にエロい目線で見る分にはいいけど、エロ読者の期待に応えるような露骨なエロ描写はしませんよというスタイル)が一気に崩された瞬間です。

ウソップ

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

髪のボリュームが増えたのは似合ってるのでいいのですが、あごヒゲが完全に不要です。似合ってない。最初は「新世界編」以前のサンジみたいなちょび髭だったのに、最近はおむすびまんのアゴみたいになってしまいました。いつからアゴに海苔をつけるようになったんですか。

またナミの胸に「また一段と実っちまって…♡」とか性的なコメントをさせるのも気色悪いです。リトルガーデンでの「もっと脱げー」や、「幸せパンチ」に鼻血を出すとか、そういうちょっとしたエロ反応であれば「少年向け」というのがわかるんですが、これはもうエロいおっさん向けの描写でしょう。

男性キャラに直接ナミの胸に触れさせて感想を言わせる、というやりとりにドン引きで、ワンピースはそういう露骨なエロを避けているところが好きだったのに、2年後からそういうシーンが頻発していて純粋にストーリーを楽しみづらくなってしまいました。

サンジ

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

鼻下のちょびヒゲと濃いあごヒゲがダサいし、髪の分け目を変えたのも意味がわかりません。分け目を変えたことで髪のバランスが取りづらくなったのか、毛量が無駄に増えて寝癖みたいな外ハネがつくようになり、スマートさがなくなりました。最近はすきバサミですいてやりたいくらい毛量が多く、髪の毛ボサボサのただのだらしないおっさんになっています。

分け目を変えたのは、「ジェルマ66」の登場を見越して、左眉もぐるぐるであることを見せるためだったのかもしれません。それでも別に分け目を変える必要はなかったですよね?

「サンジもジェルマの人間なら、左眉もぐるぐるなんだろうな」って読者に想像させるだけでいいじゃないですか。もしくはジェルマとの再会のタイミングで、今まで隠してきた左顔を明かす展開の方がよっぽどワクワクしたはずです。

私にはどうしても、「2年後の変化」を入れるにあたって、サンジの変更点に困って分け目を変えただけにしか見えないのです。なんのために今まで片目だけしか見せてこなかったのでしょうか。どっちも見せていいのなら、むしろ両目を出した方が視野が広がっていいんじゃないですか?

これまで左目を徹底して見せないことに何らかの意味やポリシーがあって、それがいつか明かされるのかと思っていたのに、2年後に何の説明もなくしれっと見せられてしまいガッカリです。こうなると片方ずつ隠すスタイル自体が意味不明で、何のポリシーなのかよくわからなくなってしまいます。

チョッパー

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

ただの媚び売りマスコットと化し、可愛さアピールが鼻につくようになりました。ストーリーの中で自然と見える表情や言動を読者が「可愛い」と思うくらいがちょうどいいのに、露骨に可愛さを押し付けてくる描写が増え、医療担当ではなく可愛さ担当に振り切ってしまったことで、一味内での存在意義と頼り甲斐が一切なくなりました。

ロビン

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

オールバックのデコ出しスタイルは完全に失敗でしょう。ロビンはパッツン前髪が個性であり、特徴であり、ミステリアスな魅力だったのに、他の女性キャラと見分けがつきづらいモブキャラのような存在になってしまいました。

幼少期からずっと同じ髪型だったのに、なんでわずか2年でガラッと変える必要があったんですかね。。「ワノ国編」からは特にひどい。キャラの描き分けのうまさが尾田先生のスゴさの一つだったのに、今や女性キャラの見分けが全然つかない作品に成り下がってしまいました。

フランキー

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

髪型を自由に変えられる設定や、ロボットのようなしゃべり方という不要かつおサムい設定を入れたことで、ただ雑音を撒き散らすだけのキャラになってしまいました。

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社
出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

そもそも「ロボットに興奮する男子と冷ややかな目を送る女子」の構図自体、読者にまったくウケてないのになんでこんなしつこく推してくるのかよくわかりません。

一味の再会を描く大切なシーンで、フランキーのロボ要素に2ページも使うシマツ。ただでさえ人気がないキャラなのに、こんなことしてたらもっと嫌われてしまいますよ。。

ブルック

出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

キャラデザの変更はほぼないため違和感はないものの、ミュージシャンになったという設定がいらなすぎます。2年間修行しようって話だったのに、お前一人だけ何やっとったんだって話です。

音楽を使った特殊能力を身につけさせるのなら、(くまに飛ばされた先の)「ナマクラ島」で黒魔術でも教えてもらってた方がまだしっくりきます。

「大スターとなったブルックが、ライブ会場で麦わらの一味の再始動を発表して世間を騒がせ、あっさりとその地位を手放す」という演出を入れたかったのかもしれませんが、大して盛り上がる演出になっていません。

なぜなら、急にロックスターになっていたと言われ、それを辞めると言われても、読者はポカンで「へぇ…」以上の感想を持ち得ないからです。このシーンで興奮した人いるんですかね? むしろ「お前2年間何やっとったんじゃ」の方が強いのではないでしょうか。

また「〜だぜ」という話し方もサムい・ダサい・意味不明で、ブルックの人気をさらに押し下げる要素になったと思います。

まとめ

…とまぁつらつらと愚痴ばかりこぼしてしまいましたが、これ、何も最近のワンピースに失望したことで後付けで揚げ足取りをしているわけではなく、「頂上戦争編」を毎週興奮冷めやらず読んでいた人間が「新世界編」スタート当時に抱いた感想ですからね。

それくらい期待外れで、ワンピースの評価を急降下させる展開だったということです。

もちろん、キャラデザの変更については作者の判断なので受け入れざるを得ませんし、前よりもカッコよくなったという人もいると思うので、それはそれでいいです。

しかしながら、ビジュアルが変わったことについて作中でほとんど触れずに話を進めたことで、これまで思い入れのあったキャラ達を別人のように感じてしまい、読者が感情移入しづらくなってしまったことは確かです。

これが「新世界編」以降のワンピースの面白さを大きく削いでしまった原因の一つだと私は思っています。

私の中で「ワンピース」は「史上最も好きな漫画」であり、まだ「前半の海」での評価の貯金が残っているからです。

ワンピースが大好きだったからこそ、この先改善されることを(いつまでも)期待して読み続けてしまっているわけです。その期待や熱量がゼロになったら読まなくなると思います。

実際「エッグヘッド編」以降、つまらなさが許容量を超えてきており、熱量は急速に冷めてきています。コミックスも104巻からついに購入をやめました。

ジャンプは購読して読み続けていますが、これもお金の無駄だと感じるようになったら卒業するかもしれません。

余計なお世話としか言いようがありません。

自分の人生の時間の使い方は自分で決めます。

あなたこそ、見ず知らずの他人の人生に意見するような無駄な行為に時間を使うのはやめたほうがいいのではないでしょうか?

他人の人生に口を出す前に、どうぞ自分の人生の心配をしてください。

論理が破綻しており、全く筋違いな言い分です。

プロの作家が商業作品として世に販売している時点で、それを購入した側が評価したり、感想を述べたりするのは当然に許された権利です。

私は読者(消費者)であって、漫画家ではありません。漫画を描きたいわけではなく、面白い漫画を読みたいからお金を払って購入している立場であり、購入した作品の内容に不満があるから、批判的な感想を述べているわけです。

あなたはお金を払って観に行った映画が酷い仕上がりでも、「自分に映画は作れないから文句は言えない」と考えて口をつぐむタイプですか?

購入したゲームがクソゲーでも、「自分では作れないから文句を言う資格はない」と考えるタイプですか?

お金を払って観に行った音楽ライブで、アーティストが音を外したり声が出てなかったり歌詞を間違えまくったりして全く感動できないパフォーマンスを披露しても、「自分のほうが歌が下手だから批判すべきじゃない」と思うのでしょうか?

飲食店でマズい料理を出されても、「自分で作れないんだから(店を開いてないんだから)文句を言う権利はない」とか、「文句を言えるように、まずは自分で作れるようになろう(店を出せるようになろう)」と思うのでしょうか?

市場に商品として投下されている時点で、それを購入した消費者からの評価は避けられません。作り手はそれを分かった上で、自らの意志で作り手側(買い手から評価される立場)を選んでいるのです。

一方の消費者は、自分ではできないからこそお金を払って人に任せているのであり、そこで期待したクオリティに達していなかった場合に、低評価を下したり、批判したりするのは当然に許された権利です。

「購入した商品について批判するためには、自分がその商品以上のクオリティのものを作れなければならない(文句を言うなら自分で作れ)」なんてあまりにも本末転倒で筋違いな暴論です。

頭の悪い人だとバレてしまうので、金輪際そうしたコメントはしない方がいいですよ。

尚、私がこのブログで批判しているのは、基本的に尾田先生(漫画家)ではなく、担当編集者です。編集者視点で、「なぜこの部分を直さないのか」「なぜこの内容でOKを出してしまうのか」という批判をしているのです。

その意味でも「文句言うなら、自分で描いてみては?」という主張は的外れですが、もし「文句言うならお前が編集者をしてみろ」と言われ、実際に依頼をしていただけるのであれば、私は喜んでお受けします。

そして、私が編集者になった後のワンピースがつまらなければ、当然批判も受けとめます。

その覚悟を持って(編集者を)批判していることをご理解いただければと思います。

心配しています。

このブログでは、基本的に尾田先生ではなく、担当編集者を批判するスタンスをとっており、尾田先生の健康や多忙を心配するコメントを過去に何度もしています。

なんなら長期休載に入ることや、連載ペースを落とすことを推奨している立場であり、そうした対応をせずに原作以外の仕事を次から次へと振りまくって尾田先生に負担をかけ、作品の劣化を放置し続ける編集者を批判しているのです。

なぜなら、1人の人間が週刊連載で何十年も面白い作品を(世間とのズレを生む事なく)描き続けることなど、そもそも不可能だからです。肉体的に困難なのはもちろん、作者1人の感覚で何百万人という読者の感覚とズレることなく、質の高い作品を描き続けることなどできるはずがないのです。

そのズレを正すのが編集者の役割であり、作品の質を維持するためには編集者の客観的視点が不可欠だというのに、全く機能していないことが露骨に作品に出てしまっており、にもかかわらず原作以外の大量の仕事を振って尾田先生からネームや作画の時間を奪い続け、作品の劣化に歯止めがきかない状況を進行させているため、その点を指摘して批判をしているわけです。

尾田先生の健康面の心配はしていますし、「作品への批判」と「健康面への心配」は両立するものです。

思いません。

「少年漫画」だから大人の観賞に耐え得るクオリティになっていなくて当然(あるいはそれでも問題ない)という考え方は、「少年」の読解力や感性を「(自称)大人」の勝手な思い込みと偏見で侮り、間接的に「少年漫画」を見下していることと変わりません。レッテルに囚われた思考停止人間の典型です。

少年を侮り、少年漫画を見下し、少年漫画のファンとして感想を述べ合う大人達を「異常」だと言ってのける人間のほうが、よっぽど異常だと私は思います。

読者アンケートの順位は相対的なものなので、「1位のままだからワンピースは劣化していない」という論理は成り立ちません。

ワンピースがどれだけつまらなくなっても、他の作品が抱えているファン数がワンピースよりも少なければ、ワンピースは永遠に1位のままです。「アンケート回答するファンの数=作品の絶対的な面白さ」ではありません。

ワンピースは「前半の海」で蓄積した熱狂的ファンがあまりにも多いので、ジャンプのアンケート回答においては、今度もほとんど1位をとり続けるでしょう。

私の中で「信者」の定義は、「何を描かれても無条件に絶賛し、全て肯定的に解釈して作者を持ち上げる読者」を指しています。

そのため「つまらない部分やおかしいと思う部分は多少あれど、普通に面白いし楽しめている」とか、「前半の海よりも面白さが失われたとは思うけど、新世界編も総じて楽しめている」といった読者は、私の言う「信者」には含まれません。


作者にとって有害かどうかは作者が決めることですので、本人に聞いてみてください。

ただ「つまらない」「くだらない」「ゴミ」「読む価値がない」「お金の無駄」「オワコン」「資源の無駄」といった捨て台詞で、作品を貶めるだけの(ほとんど誹謗中傷でしかない)批判は「有害」だと思いますが、きちんと作品を読み込んだ上で、「なぜつまらないのか」「何が問題なのか」を考え、「どうすれば改善されるのか」まで提示した上で行う「論理的な批判」は、(作者個人は求めていないにせよ)私は「有害」とは思いません。

というより、そうした批判を行う権利は誰にでもあるので、それが有害かどうか議論すること自体がナンセンスです。

それこそ「嫌なら読まなければいい」のです。

煽り体制が低いのは事実ですが、勘違いコメントや難癖コメントを放置すると、それを見た方に誤解を与えたり、場が荒れたりしやすく、早々に対処しておく必要があるため、説明なり反論なりをしています。

えてしてそういうコメントをする人ほど、放置するとそれを「肯定」と見做して、さらに誤解を強めて暴走しやすい傾向にあるからです。

たとえば「煽りコメントにだけ返信してねェw 効いてる効いてるww」とか「図星だから反論できねェんだw」とか「何も言い返せないから逃げやがったww 悔しかったら反論してみろやww」のような言い分です。(そうなると対処にさらに時間がかかるので、早めに処理しています)

また、私への直接的な質問系のコメントやうれしいお言葉にも、できるだけ早めに答えるようにしています。

記事への感想や建設的なコメントについては、読者さん同士でコメントやリアクションをしていただけているので、慌てて私がコメントせずにおまかせしている部分もあります。私がコメントするとそこでやりとりが終わってしまい、読者さん同士の会話が生まれづらくなったりもするので。

色々状況を観察しながら、よいコメント欄になるよう運営していきたいと思っています。

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匿名
匿名
30 日 前

一応2年後冒頭から読み直してるのですが、ついでにルフィと他のクルーが二年間何してたか聞くシーン探してみたんですが、魚人島着くまでで「ゾロ お前はどこまで飛ばされてたんだ?」「ああ それがよ…」こんだけ。
お互い潰れた目とか胸の大穴とか気にならねぇのかよ……w 「どこに飛ばされたか」なんて最初も最初な会話をやっと始めてるあたりそれまではその系統の会話もしてなかったということでしょうね……
しかも、この僅か1コマ後に「不思議な海流があるってわけだな!」とルフィとゾロは他のバカ組たちと声を合わせて反応してるので、二年間についての会話も打ち切られたと考えるのがまぁ自然な解釈でしょうね。エッグヘッドでニカ化したルフィにクルーの誰も大したリアクションしなかったのもそうですが、尾田先生は麦わらの一味同士の認識の擦り合わせのやり取りとかを極力省いたほうがイカすとでも思ってらっしゃるんですかね?

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