仕事をしていて非常にストレスを感じてしまうタイプの人がいます。
それは、メールのやりとりにおいて「必要な情報量の基準」にズレがある人です。
私は基本的に、相手が理解するのに必要十分な情報を、できるだけ意図から丁寧に伝えることで、情報不足による理解の齟齬が起きないようにしたいタイプです。
加えて感情面での誤解を与えないように、クッション言葉を使いながらできるだけの棘のない言い方になるよう心がけています。
結論だけ述べて背後の意図を説明しない人
しかし世の中には「結論だけ」を述べて、その背後にある意図やその判断をするに至った経緯について一切言及しないタイプの人がいます。
言われた側はその判断や指示がなされた意図がわからないため、背後にある文脈を想像して相手の意図を汲み取らなければなりません。
その判断や指示が適切なものであれば問題はないのですが、「え、なんで?」「それやる必要ある?」のように、指示内容に異論がある場合は不要なコミュニケーションストレスが発生します。
聞き返すにしても、「どういう意味ですか?」とか「なぜ(それをやらなければならないの)ですか?」とストレートに聞くと刺々しくなってしまうので、聞き返し方にまで配慮する必要があるからです。
たとえば下記のような感じです。
Aさん:明日までにスケジュールの提出をお願いします。
私:(え…? こないだスケジュールの提出はしなくていいって話になったじゃん。しかも明日までって、どれくらい重要度が高い仕事なの?)
これは実際にあったやりとりなのですが、前回の打ち合わせで「スケジュールの提出はいらない」と言われていたのに、急にメールで「明日までにスケジュールの提出をお願いします」という指示だけがきました。
私は単純に「え、なんで? 送り先ミス? こないだいらないって言ってたのにその判断が変わった理由は何? しかも明日までって、それは今やってる仕事よりも重要度が高いものなの? 何でそんなに重要度が上がったの? 上司から指示されたから? 上司にはスケジュール作成は不要と判断した意図をちゃんと伝えたの?」のように、バーっと疑問点が浮かんできました。
もちろん相手の意図がわからないのであれば、メールや電話で確認すればいいのですが、この場合、メールの送り主が次のように送ってくれていれば、「承知いたしました」の一言で終わっていたはずなのです。
- 先日はスケジュールの提出は不要とお話しましたが、
- 上司とミーティングしたところ(こういう理由で)スケジュール提出を求められたので、
- 申し訳ありませんが、明日までにスケジュールの提出をお願いします。
- (今お願いしている作業は一旦止めていただいて大丈夫なので、スケジュールの作成を優先してください)
一回、二回であれば電話で確認してもいいのですが、こうした意図不明なメールが毎回くるようだと、いちいち電話で確認している方が時間のムダになってしまいます。
とはいえ相手の指示に異論をはさまず、言われるがままに仕事を進めるのが正解とも言えません。
なのでこのときは、電話で意図を確認した後に「今後はこちらが判断しやすいよう、意図から含めて指示していただけますか?」とお願いしたりしたのですが、どうにも噛み合わないままで終わってしまいました。
質問に答えてくれない人
こういう人は得てして、こちらが3つ質問してるのに1つしか答えてくれなかったり、1つの質問についてすら、全く別角度の答えをしてきて話にならないことが頻繁に起きます。
たとえばWebデザインに関する次のようなやりとりです。
私:こうこうこういう理由で、ここを修正した方がよいと思うのですが、Aさんはどう思われますか?
Aさん:デザインはこちらにお任せください。
「いや、返答になってないから…笑」って言いたくなるんですけど、そんな言い方をしては喧嘩になるだけなので、さらにこちらから相手を傷つけないような言い方で、相手の考えを聞くような質問をしなければなりません。
これを考える時間がものすごくストレスになります。
「(デザインはあなたが関与するところではないので、余計な意見などせず)デザインはこちらにお任せください」ということなのかもしれませんが、だとしても、私の指摘についてどう思うかについての返答はしていただかないと、私としてはモヤモヤしたまま納得のいかないデザインを許容せざるを得なくなってしまいます。
「いえ、そこはこういう理由でこのままの方が良いと思います」と言ってくれれば私も納得するかもしれないし、「なるほど、たしかにそうですね。修正しますのでこちらにお任せください」なのであれば、安心して任せることができます。
あるいは、「ご指摘いただきありがたいのですが、社内の都合上、修正する余裕がないため、今回のデザインはこちらにお任せいただけますと幸いです」のように言ってくれればいい。
この「どういう意味で言ってるのか本意がわからない」というコミュニケーションは、言葉に棘がある人以上にストレスになるんですよね。
逆に、「1言えば3わかってくれる人」というのは、非常にスムーズに仕事が進みます。
わかりやすく日程調整の例で言うと次のような人です。
私:もしよろしければ、一度お打ち合わせの時間をいただけませんでしょうか?
相手:もちろんです! こちらは◯◯日、◯◯日、◯◯日であれば調整可能です。当日、上司の△△を同席させたく思っているので、場所は弊社オフィスでも構いませんか? もしご指定の場所があるようでしたら、こちらから伺うことも可能ですのでおっしゃってください。ちなみに弊社オフィスの住所は○○です。
こちらが「打ち合わしたい」という意思を伝えただけで、
- 日程
- 場所
- その場所を希望する理由
- その場所が必須というわけではない配慮
- その場所の住所
をまとめて伝えてくれています。
こうした必要十分(もしくはそれ以上)な情報をいただけると、メールのやりとりを最低限に抑えられ、なおかつお互い認識の齟齬なく打ち合わせに臨むことができます。
社内でのやりとりならまだしも、外部の人が相手で、しかも初めて仕事をするような間柄であれば、仕事の進め方についても感情面についても、できるだけ齟齬が生まれないよう配慮したほうが仕事は円滑に進むと思うのです。
しかし世の中には、どうしてもコミュニケーションに必要な情報量の基準にズレのある、一緒に仕事をしているとストレスになる人がいるんですよね。。
最近では「こういう人もいるんだ」と割り切るしかないと思っているのですが、「こういう人」と仕事をすることになったときは精神的に疲弊することを覚悟した上で、時間をかけながらズレを埋めていくしかないと考えています。
みなさんは「情報量は多いほうがいい or 少ないほうがいい」、どちらのタイプですか?