※この記事は2016.9.1にnoteで公開したものです
目次
新しいことへの挑戦のハードルを下げよう
最近、Kindle Unlimitedで『仕事は楽しいかね?』という本を読んで、非常にためになった視点があったので紹介します。
本書は『嫌われる勇気』のような対話形式の自己啓発書で、数多くの実業家や政治家にアドバイスを求められるほどの成功者、マックス・エルモアと、35歳のサラリーマンである”私”との対話を通して、仕事や人生の成功法則について教えてくれる1冊です。
個人的に、物語の中でもっとも影響を受けたのが「たえず試してみる」という視点です。
多くの自己啓発書では、成長するために重要なこととして「過去の成功にとらわれず、たえず変化を求めて、新しいことにチャレンジしていくこと」とか、「昨日の自分とは違う、新しい自分を常に追い求めていく」といったことが勧められています。
しかしこうした言葉や行動指針はどこか仰々しく、毎日それを意識しながら過ごすとなると、相当なプレッシャーや気負いを感じてしまいませんか?
心理的なハードルが高いほど、習慣化するのは困難となり、「毎日一つ新しいことをしよう」と決意しても、気づけば「同じことを繰り返す日常」に戻っているというオチは誰もが経験したことがあると思います。
しかし「試してみる」という言葉には、そうした気負いがありません。
たとえばいつも行っている牛丼屋に新商品が出ていて、「お、なにこれ美味しそう」と少しでも気になったら、「よし、試してみるか」と頼んでみるように、気軽に取り組めるイメージがあります。
「迷ったらやったことない方を試してみる」という姿勢が習慣化されれば、「ちょっと高いんだよな、コスパどうかな…今日は節約したほうがいいかな…」など余計なことを考えずに、新しい方を選ぶようになっていきます。これには決断をシンプルにする効果もあります。
なぜ、「試す」ことが重要なのか?
「試してみること」の重要性について、本書では「最初に陸にあがった魚は、長期にわたる目標を持っていたと思うか?」という言葉によって、考えるきっかけを与えてくれます。
その魚は、「ぼくが陸にあがれたら、いつの日か脚を使って歩く陸生の魚が生まれるかもしれないし、やがては、その陸生の魚が車に乗ってショッピングモールに出かけ、シナボンに入ってシナモンロールを食べたりコーヒーを飲んだりするようになるかもしれない」と考えて陸に上がったのだろうか? とマックスは問います。
そんなわけはありませんよね。
進化(成長)というのは、最終的にどこに行き着くかまったくわからないけど、変わるために試してみることから始まるということです。
いいかい、できることはどんどん変えてごらん。みんなが、きみが変えていることに気がつくくらいに何でも変えるんだ。好奇心を旺盛にすること。実験好きな人間だと評判になったら、みんなのほうからアイデアを持ってきてくれるようになるよ。
もう一つの例は、スティーヴ・ウォズニアック。彼がアップルコンピューター第一号をつくったのも、世界を変えたかったとか、大企業のトップになりたかったとかではなく、ただコンピューターを組み立てて、自慢げに仲間に見せたかったからだといいます。
そのコンピューターを「売る」というアイデアさえ、ウォズニアックのものではなく、友達のスティーヴ・ジョブズによるものでした。
成功する人たちはね、自分がどこへ向かっているかということはわかっていないーーただ、遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守ろうと思っている。
もちろん成功はすべて「遊んでいた結果生まれた偶然の産物」ということではありません。しかしどれだけ事前に入念な計画を練ったとしても、その通りの結果になることがあり得ない以上、物事が偶然に左右されるというのは紛れもない事実です。
つまり、素晴らしいアイデアはどこからやってくるかわからないのだから、あらゆることを「試してみる」ことこそが重要だということです。
まずはとにかく始めること。どのアイデアが最終的に実を結んで、どのアイデアが実を結ばないか、 確かめる方法なんてないんだから。できるかぎりいろんなことをとにかくやってみること。そうすれば、そのアイデアがまた別のアイデアを引き寄せる。始めさえすれば、新しいアイデアのほうからきみのもとへ近づいて、飛びついてくるんだ。
「積極的に試す人であること。あらゆることをやってみること。それから、心を開いて、やってみる価値のある事柄にどんどん気づくこと」―これが成功を導くシンプルな方法です。
「試す」を繰り返すと「挑戦」へのハードルが下がる
私はこの考えを知ってから、何かに迷ったときは必ず「ま、とりあえず試してみるか」と、まだやったことのない方を選択するようになりました。
そのおかげで、新しいことにチャレンジすることへの心理的ハードルも下がり、フットワーク軽くいろんなことに取り組めるようになったのです。すると気持ちも前向きになって、モチベーションが高まっていくという相乗効果が得られます。
コミュ障に陥っていた時期は、「新しいことに挑戦する」とか「昨日の自分より成長する」といった言葉が重々しくて、立ち向かう気力さえ沸いてきませんでした。
しかし本書を読んで、「試してみる」という言葉の気軽さ、そして影響の強さを知ってからは、かなり気楽に新しいモノゴトに取り組めるようになりました。
余談ですが、ナンパをするときも、「試してみる」の姿勢をもっていた方が調子がよくなる傾向にあります。
私は、超絶美人で確実にナンパになどついてこないようなタイプの女性に声をかける時は、「念のため試してみるか!」という言葉をよく使います。
「あんな美人に声をかけたって無視されるだけだ」「鬱陶しい目で見られて自分が傷つくだけだ」のように、声をかける前から言い訳がましい分析をしていても、やらない理由が浮かんでくるだけでなんの成果も得られません。
「あ、可愛い」と思ったら、とりあえず試しに声をかけてみるというフットワークの軽さがあった方が、成功しやるくなるのです。
失敗しても次の成功につながる情報が得られるので、リスクといえば自分がちょっと傷つくことくらい。気にすることではありません。(これも慣れれば傷つかなくなります)
もちろん相手が嫌がっているのにしつこく声をかけるということではありません。絶対無理だと分かっていたとしても、一言だけ声をかけて即撤退する前提で、とりあえず「試しに」声をかけてみるということです。
まとめ
「日々新しいことに挑戦する」ことの大切さは、頭では分かっていても、いざ実践して、さらに習慣化までしようとすると、ものすごくエネルギーが必要であることに気づきます。
習慣化するために一番重要なのは、「無理をせず続けられるかどうか」です。気負いなく、気楽に「試してみよう」というマインドを獲得すれば、新しいことに挑戦することも自然と習慣化していくはずです。